こんにちはRです。
途上国から見る、中国の「一帯一路」計画についてです。
インド洋の真珠 スリランカ
「一帯一路」計画に参加のスリランカは、中国から融資を受けて様々なインフラ整備を行ってきました。
その一つ、スリランカの南部に中国融資でハンバントタ港を建設しましたが、債務超過で返済が滞ったため運営権を99年間中国へ譲渡されました。
また、ラジャパクサ国際空港も中国融資で建設しましたが、現在国際便が一便も飛んでいない世界で類のない国際空港と化しています。
そして今、コロナ禍で主力の観光産業が停滞し、外貨不足によって計画停電をするまでの経済危機に陥り、国民の生活に混乱が起きている状況です。
そんな状況でもラジャパクサ政権は、日本とインドの協力開発を破棄し中国融資によって「コロンボ港東コンテナターミナル」を開発するというのです。
外貨不足でイランから購入する石油の代金を、特産物の『紅茶』で返済していくことになってしまっているというのに・・・
スリランカの港 一転して中国企業が開発 各国の警戒高まるか | 中国 | NHKニュース
完全にチャイナマネーをポケットに入れられたラジャパクサ政権による、対中国への債務は3900億円まで膨れ上がっているそうです。
ちなみに、ラヒンダ・ラジャパクサ首相は、兼財務大臣・・ 弟が大統領・・・
こうした中国の「債務の罠」に陥っている国は、スリランカだけでないようです。
首都カンパラとエンテベ空港を結ぶ高速道路 PHOTO:JAMES /REUTERS
エンテベ国際空港の拡張工事に、中国国有の輸出入銀行から融資を得て行う際に、「債務返済ができなければ、空港を運営するための財政管理権を中国国有銀行に委ねること」との契約内容が明らかになった。
これを否定している中国ですが、「インフラ整備に豊富な融資をしたのは中国だけなのだ」という発言からすると、空港収入の使い道の承認は「暗黙の了解」ということなのでしょうか。
中国との契約に盲点、ウガンダに動揺走る 一帯一路事業 - WSJ
© 朝日新聞社 パキスタン南部カラチの大学で26日に爆発があり、孔子学院と書かれた看板の真下にある窓ガラスも割れていた=ロイター
南部の中国語教育機構「孔子学院」付近で起こった4人死亡の自爆テロや、北西部での中国技術者が乗るバスを狙った、9人の死亡の自爆テロが起きています。
こうした中国人を狙ったテロ攻撃は、国内武装組織バルチスタン解放軍が、『一帯一路』による開発事業によって中国が「地元の資源を奪っている」と非難し、犯行声明を出しています。
天然資源が豊富なバローチスタン州は、グワーダル港湾・周辺の開発、電力インフラの整備・都市交通整備などが進められています。
中国はパキスタンへの兵器供与国であり軍事的結びつきが強いため、グワーダル港の開発は中国の軍港となるのではと懸念されているそうです。
対中国の融資額は600億ドルを超えています。
https://www.ide.go.jp/library/Japanese/Publish/Reports/AjikenPolicyBrief/pdf/114.pdf
昨年12月3日、中国南西部の昆明とビエンチャンを結ぶ高速鉄道「中国ラオス鉄道」の開通式が行われた(写真:ロイター/アフロ)
国内初の高速道路を中国の建設投資グループとラオス政府の合弁事業によって建設し、中国とラオスの首都ビエンチャンの1000キロに渡る鉄道も開通しています。
このうち420キロの総事業費は59億ドル、ラオスの負担金3割の大半を中国政府系金融機関からの借入れということです。
更に、不動産・農業・鉱山開発へ投資され、中国人経営の農園ではラオスの人たちが中国へ輸出するバナナの栽培をしています。
街には中国語の看板を掲げる店が立ち並び、道路には中国語の標識が設置され、高まる中国人の存在感に地元住民は警戒しているといいます。
インフラ整備の進むラオス政府の対外債務は膨れ上がり、債務の大半を中国に依存するラオスの現状は、毎年11ドルの返済期限を迎えるという厳しい状況にあるということです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211203/k10013374011000.html